宵越しの金はもたねぇ??いやいや、お金の備えは必要です
大前提として、お金の備えは必要です。
江戸時代の庶民の金銭感覚を表す言葉として「宵越しの金は持たねぇ」なんて威勢のいい言葉がありましたが、はっきり言ってナンセンスです。

てやんでぃ、宵越しの金はもたねぇ
現代でもアパホテル社長の元谷芙美子氏はその考え方をお持ちで「給料は全部使う」というようなことをおっしゃってますが、それは他に不動産等の資産が唸るほど資産がある方だから言えることです。
いざとなれば会長である旦那さんから援助してもらえばいいでしょうし、銀行だって資産家にはこぞってお金を貸してくれるでしょう。
一般庶民はとてもじゃないですけどそんなことは言えません。
- リストラされたら?
- 大きな怪我、病気をしたら?
- 教育資金は?
- 老後の備えは?
リストラされたら次の職を探すまでの生活費はどうします?
失業保険はありますが、全てカバーできるとは限りません。
大きな怪我、病気をしたら?
全て医療保険でカバーできるとも限りません。
学費、旅行の費用等大きな出費が予定されていれば現金を貯めておかなければなりません。
老後資金は年金で賄えますか?
老後ひもじくない生活を送れますか?
全くお金を貯めない生活をするなんて不可能です。
怖くて生活できません。
社会に対する不安要素がいっぱい
終身雇用制度の見直し
日本の雇用形態の特徴は終身雇用といって、企業が従業員を定年まで雇用し続ける制度です。
年功序列型の賃金制度で、年齢が上がれば、それに応じて給料も高くなっていきます。
この制度が高度経済成長期の日本を支えてきました。
しかし、最近は経済状況の変化や働き方の多様化により、終身雇用制度の見直しが進んでいます。
成果主義の導入や、非正規雇用の増加など、雇用形態が多様化しています。
終身雇用制度が崩壊するとは言いませんが、少なくとも以前よりはリストラの憂き目にあう可能性は高くなっています。
すぐに再就職できるとも限りませんし、再就職先が同程度の給与水準である保証もありません。
そういったときに心の支えになるのが資産です。
資産はあればあるほど心に余裕ができます。
日本経済の見通しは悲観的
バブル崩壊という単語を聞いて久しい・・・というか四半世紀以上前の単語です。
失われた30年と言われ、諸外国が経済成長を遂げる中、日本は長期に低迷しています。
物心ついたときから「不景気」という言葉を何度も聞いてきました。
何なら生まれてから最初に覚えた言葉は「ふけいき」かもしれません。
かつては2位だったGDPも中国に抜かれ、ドイツに抜かれ4位陥落・・・
まもなくインドにも抜かれる予測がたてられています。
大丈夫か日本!?
少子高齢化というワードもずっーと聞いてます。
人口が減少すれば当然さらに経済は縮小していきます。
景気は・・よくなる未来が見えない。
老後に年金はもらえるのか?
日本の未来は悲観的なので、老後年金ってもらえるのか疑問です。
年金を納める現役世代は減っていくのに、受け取る受給者は増えるわけで、どうやって無理があります。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が投資をしてがんばって年金資金を増やしてくれているのですが、それでも私が老後を迎える何十年後にも年金ってもらえるのでしょうか。
もらえるとしてもおそらくかなり減額されているでしょう。
ですから年金だけを頼りにするのは危険です。
年金は長生きリスクに備えた制度ですが、将来はより医療が発達し、平均寿命も延びるはずです。
より我々は長生きリスクにさらされることになり、年金以外で準備をしておかなければなりません。
2019年に金融庁が発表した老後2000万問題ってありましたよね?覚えていますか?
簡単に言えば「年金だけでは足りません。夫婦二人30年暮らしていくのに2000万は必要になるかもしれません。」と政府が試算したのです。
そんじょそこらの弱小インフルエンサーが言ったわけではありません。
天下の金融庁の優秀な官僚の方々が資産をして発表しているのです。
この事実は重く受け止めるべきです。
そして既にライフプラン表を作って異様に危機感を感じていた私としては、「うんうん、そうですよね~」「おっしゃるとおり年金だけじゃ足りないですよね」なんて思いました。
そして「老後はにせんま…ん?・・二千万?!」



甘いよ、2000万円じゃ全然足りないよ!!!!!!
年金額の減少、長寿化による生活資金の増大といった要因があるため、2000万どころではなく、もっと必要になると思います。
誰でも貯金ではなく投資をするべき5個の理由
長々と書いてきましたが、お金の備えをすべきだということには異論はないと思います。
日本人は貯金が大好きです。
欧米に比べて投資をしている割合は低く、貯金の割合が低くなっています。
ただ、本当に貯金が最善の方法なのでしょうか?
次からは貯金ではなく投資をするべき理由を言います。
貯金はインフレーションに勝てないし、預貯金は腐っていく・・・
インフレーション略してインフレ。
聞いたことはあると思います。
分かりやすく言えば物の値段が上がることです。
最近は日本でもどんどんインフレになってきましたね。
身近な例でいえばお米で、以前の倍になっています。(嫁発狂)
歴史を振り返ってみましょう。
明治時代に通貨の単位として円、銭、厘ができました。
明治時代のそばは1杯2銭でした。
教員の初任給は9円くらいでした。



安っす!
額面だけみると安く見えますが、当時は物価が安かったので、それが普通だったのです。
だんだんとインフレになり(物価が上がっていき)、現代では
そばが1杯600円前後(諸説あり)
東京都の教員の初任給が26万円ほど
となっています。



ニュースでやってましたが、来年度の採用の警視庁の大卒警察官の初任給はなんと30万円を超えるそうです
教員の例でいえば、単純計算で物価は28888倍になったということです。
日本はバブルがはじけてデフレになっていました。
インフレの逆で物価が下がる状態のことです。
日本銀行の前総裁の黒田さんは必殺技をお持ちでした。



必殺、黒田バズーカ!!
簡単に言えば、
日本に流れるお金を増やして、ジャブジャブにしてデフレからインフレに持っていこう
という金融政策のことです。
そしてインフレ目標は2%でした。
日本に限らず、多くの国の中央銀行も年間で2%のインフレを発生させることを目標にしています。



毎年2%インフレにすることが、経済にとって良いと考えられているからです
つまり国の方針として毎年2%のインフレを起こそうとしているわけです。
全部大事な話ですが、もっと大事な話をこれから話します。
先ほどインフレとは物価が上がること、と説明しましたが、より本質的な説明をすると
インフレとは、お金の価値が下がることです
物価が上がることと裏表の関係です。



むむむ・・お金の価値が下がる??
おにぎりを例に出します。
元々、おにぎり1個100円だったとします。
しかし10年間インフレが続いておにぎり1個200円になったとします。
元々1000円あえば10個買えたのに、10年後は同じ1000円なのに5個しか買えません。
これはつまり
額面は同じ1000円だけど、1000円の価値が半分に下がった=お金の価値が半分に下がった
ということに他なりません。
円ではなく金貨で考えてみます。
おにぎり1個をもらうのに金貨1枚で良かったけど、おにぎり1個もらうのに金貨2枚が必要になってしまった。
これはつまり金貨1枚の価値が半分に減ってしまった、ということです。



金貨1枚あるからおにぎり1個くれよ



やだよ。今は金貨1枚はおにぎり半分の価値しかないから、金貨2枚ちょーだい。



ふぁっ!?
重要なことなのでもう一度言いますが、
お金の価値が下がること
「インフレ=お金の価値が下がること」これは私がこの投資ブログを通じて伝えたいことトップ5の中にランクインします。
この意味さえ覚えてもらえれば、伝えたいことの8割は伝わってます。
~~~~~
さて、この記事の肝となる部分ですが、「貯金はインフレに勝てない」についてです。
銀行に貯金すれば、わずかにですが利子がもらえます。
ちなみに現在(2025年3月)メガバンクの預金金利は0.2%です。
三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクと三井住友信託銀行は24日、日銀が同日に追加利上げを決めたことを受け、普通預金金利を0.1%から0.2%に引き上げると発表した。3月から適用する。
引用元:日本経済新聞ネット記事(2025年1月24日)
最近の政策金利の上昇を受けて、以前よりかはマシになりましたけどもそれでも0.2%・・・・。



少ね~



まさに雀の涙
どう思いますか?100万円を預けていても、2000円しか増えません。
引き出すたびに100円の手数料とられたらあっという間にマイナスになってしまいます。
因みに・・日銀がマイナス金利を導入したときは、0.001%でした。
もはやギャグですねw
100万円を預けても10円・・・。
一回の引き出しでマイナスになりますwww(なんでやねん)
「いやいや、預貯金はたいして利子をもらえないことは百も承知。現金の額は減らないから安心なんだ。」
と言う人がいるかもしれません。
現金は減らない?安心??果たしてそうなのでしょうか??
いいえ、そんなことはありません。
確かに100万円は100万円で額面は変わることはありません。
しかし、インフレのせいで、着実にその資産額は減っているのです。
先ほど説明しましたが、日本では毎年2%インフレさせることを目標としています。
つまり、国の方針として毎年2%日本円の価値を減らしていく、ということです。
同じ100万円という額面でも、来年には実質98万円の価値になっているということです。
再来年には98万円の98%の96万円・・・・・・・・・何もしなくても10年後には81万円の価値に減ってしまいます。



んん~・・?
インフレを「お金の価値が減る」という定義から「物価上昇」という定義に戻して考えてみます。
毎年30%のインフレが起きる国にいるとします。
2025年、スマホ1台が10万円で売られています。
100万円の貯金があれば10台買えますね。
2025年にはAさんは貯金全部使って10台買えました。
Bさん、Cさん、Dさんは貯金を続けます。
2026年、インフレでスマホの値段は13万円になります。
Bさんは100万円の貯金を全部使いましたが、7台しか買えませんでした。
Cさん、Dさんは貯金を続けます。
2027年、インフレでスマホの値段は16.9万円になります。
Cさんは100万円の貯金を全部使いましたが、5台しか買えませんでした。
9年後の2034年、なんとスマホの値段は106万円になりました。
大事に100万円の貯金をとっていたDさんですが、100万円ではスマホを1台も買えません。
この例を見てわかるように、貯金の100万円が弱くなっていく、つまり貯金をしているだけだと物価上昇に勝てないのです。
2025年だったら100万円で10台買えたのが、2034年には100万円ぽっちじゃ1台も買えないのです。
インフレにより100万円の価値が落ちたのです。
上記は極端な例ですが、これと同じことが日本で起こっているのです。
先ほど明治時代の話をしました。
当時の先生の初任給9円。
当時の先生の給料では、現代のうまい棒1本さえ買えません(泣)
この明治時代から今までの(ざっくり)100年間で、円の価値が落ちたのです。



うまい棒10円だったのが今は15円



うまい棒は50%のインフレですね
5%インフレになったときに、預金金利も5%上昇すればいいのですが、そうはなりません。
預金金利の上昇は遅く、インフレの方がどんどん先に進行します。
デフレだった日本が、今インフレに転じています。
総務省統計局が出している消費者物価指数【総合】によれば、2020年に比べて、現在の物価は11.2%も上昇しています。
平均すれば年2.3%ずつインフレが起きたことになります。
それに対して現在の預金金利は?
先ほど説明したように年0.2%です。
全然預金金利は追いついていません。
この5年間は2.1%ずつ(2.3%-0.2%)貯金の価値が減っていっているのです。
イメージしてください。
夏、バケツに貯まった水が流れずに溜まったままだと、雑菌が繁殖します。
ボウフラが湧きます。
水が腐るのです。
預貯金はこれと同じ現象が起こっていると私は感じました。



動かないお金はだんだんと腐って価値が減っていく
貯金なんてプラスどころかマイナスじゃん!
この事実に気づき、私は頭を殴られたような衝撃を受けたのです。



金は天下の回りものなんてよく言ったもんだ
お金は循環させないと腐ります
金融機関にピンハネされるくらいなら、自分で増やそう
みなさん貯金は安心だと思っているでしょうがそうでしょうか?
預けたお金はどうなりますか?



銀行がそのまま保管してくれる



なわけあるかい!
銀行もボランティア団体ではありません。
企業なので利益を出さないといけません。
皆さんから安っすい金利で預かったお金を、高い金利で誰かに貸して、その利ザヤで稼いでいます。
他にも、みなさんのお金を集めて国債に投資しています。
国債とは国がする借用証書で、国債に投資(国債を購入)した後、約束期間が経過すれば、貸したお金に利子をつけて返してくれます。
つまり、銀行は皆さんのお金を使って投資をして設けている、ということです。
その儲けを雀の涙ほどの利子としてみなさんに還元しているのです。
ばっちりピンハネされています。
銀行にピンハネされるくらいなら、最初から自分で国債に投資すれば、得られる利益は丸々自分のものです。



ピンハネはんたーい
銀行預金とはなにもされずに安心なのではなくて、銀行を介してバッチリ投資されているのです。
だったら自分で投資しましょう。
国債という安心な投資もありますし、米国株なら国債より高いリターンを狙えます。
投資をすれば資産形成のスピードが格段に上がる
預金は元本保証で0.2%です。
元本保証といってもインフレに負けるので、実質リターンはマイナスです。
それでいいんですか?
今じゃメジャーになったオルカンという安心を重視した全世界に投資する商品がありますが、それでさえ30年の年平均リターンは6~8%くらいです。
インフレを加味しても余裕でプラスです。
いいですか0.2%vs6~8%
どっちがいいかは明らかですよね。
投資をするほうがはるかに資産形成に役立ちます。
保守的なGPIFでさえ投資をしている
GPIFとは「年金積立金管理運用独立行政法人」の略称で、日本の公的年金を運用する機関です。
200兆円を超える年金の準備金を運用(=投資)しています。
年金というものは預貯金と同じで大事なものです。
将来支給するのなので、絶対に減ったり、なくなったりしたらダメなものです。
「全部使ってなくなっていました。だから年金払えません。」なんて言えません。
そんな大事な大事な年金資金をGPIFは投資をしています。
株と債券に投資しています。
GPIFはわかっているんです。
ただ貯金をしていても実質目減りしていくだけなので、投資をしてインフレに勝ち、資産を増やし、将来にわたって滞りなく年金の支払いしないといけない、と。
銀行だって、GPIFだって預貯金をせずに、投資をしているのです。
政府が推奨している
老後年金問題で政府は国民に「備えろ!」と暗示しました。
そしてNASA、iDeCoの制度を作って、老後の資産形成を後押ししています。
なぜか?
政府は年金制度に不安を覚えているからです。
同感です。
私も不安です。
年金が将来払われない、または大幅に減額して支給する、なんて言われることを。
心配だから政府は貯蓄から投資へ!と銘打って大々的に資産形成を後押ししているのです。
国策に売りなし、という格言がありますが、まさにそのとおりで、国から投資が推奨されているなら投資をやった方がいいのです。(仮にNISA等の制度がなくても私は投資をすることを強く推奨します。)
まとめると
- 貯金は減らないように見えて、実はインフレに負けて価値がどんどん下がっていく
- 金融機関にピンハネされるくらいなら自分で投資したほうが良い
- 預金とは比べ物にならないほど、資産形成のスピードが上がる
- GPIFも投資の必要性を認識している
- 政府が国民に資産形成をしろと言って、投資に関する優遇政策を制度化している
以上の点でおまりぃは投資をした方が良いと思っているし、実際に10年間続けているのです
次は投資するなら米国株をお勧めする理由についてお話しする予定です。